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2013年10月

金融機関と上手に付き合うために
メガバンク〜地元金融機関まで・・・


■『TOKYO!』・・・東京オリンピック開催決定・感動の場面!

 平成25年9月8日(日)午前5時20分・・・
 日本中、いや世界中が固唾を飲んで見つめる、IOCジャック・ロゲ会長が持つ一枚のカード。
 そこに示された都市名・・・『TOKYO』!!

 2020年、東京オリンピック開催が決定した感動の場面!
 久しぶりに、日本国民が一体となって興奮した瞬間でした。

 

■東京オリンピック=経済発展の礎   

 遡って1964年(昭和36年)、3歳の頃、新宿で印刷業独立後間もない父親に抱かれて、四谷四丁目の交差点から「あのアベベ選手を見せたんだぞ!」と言われ続けて育ちました。
 正直に申し上げて、さすがに3歳だったので、当時の記憶はほとんどありません。
「見せてもらったのを、覚えているともいえず・・・」
「子供心に、親父に申し訳なくて、覚えていないとも言い切れず・・・」
 悶々としながら月日が過ぎ、どちらとも言い出せないまま、父は他界してしまいました・・・今では、草葉の陰から、にっこりと許してくれているといいな〜と思っています。

 その時代に育った世代としては、「オリンピック=経済発展の礎」という魂が染み込んでいます。
「よしっ!」
「さぁ、やるぞ!」
「東京そして日本と一緒に、元気になるぞ!!」
 さぁ!2020年に向けて、会社を強くして、一緒に日本経済成長の波に乗っていこうではありませんか!

 

■メガバンクも悲喜こもごも・・・

 最近、大手都銀が、提携先信販会社を通じて反社会的勢力に融資していた事実が判明。 大きな社会問題となっています。
 私どもも、中小企業を支える国の認定支援機関として「反社(反社会的勢力の略称)」には相当の注意を払っているので、今回の事態は驚きを禁じ得ません。

 いっぽう最大手のメガバンク・三菱東京UFJ銀行が、10月1日からスタートする「がんばる中小企業を応援するローン『極め』」の新商品説明会が、9月26日に開催されました。
 三菱東京UFJ銀行が、国の認定支援機関であるTKC会計事務所のクライアント向けに開発した新商品なのですが・・・まさに中小企業融資もここまで『極めれば本望』というくらいの「金利の低さ」に、こちらも別の意味で驚きです。
 


 申込条件は、3つ。
(1) 5ヶ年の「中期経営計画書」の提出
(2) 税理士が月次で監査をしていることを前提に、適時・適切に会計記帳がなされている「記帳適時性証明書」の提出=決算書等が過去に遡って修正されていないこと
(3) 会社が、自ら会計入力する「自計化」がなされていること

 その他、債務超過でないこと、税金や社会保険料の滞納がないこと等の条件もあるのですが、上記条件を満たすと、なんと5年間・約定金利1.3%。最大優遇金利で、0.4%で借り入れが可能になるのです。
 別途、信用保証協会の保証料がかかるとはいえ、0.4%といえば、上場会社の最大優遇金利にも匹敵するレベルです。

 

■中小企業も正しい経営をしていれば、『金利』という目に見える形で評価される時代に

 中小企業も、健全経営をしていれば、メガバンクから金利という目に見える形で評価される時代に入ったように思います。
 そして同時に、会計事務所や税理士が、メガバンクと連携して融資判断する時代にも入ってきているのです。

 もしかすると・・・
 ウチでは無理ムリ〜などと、心のなかで思っていませんか?
 そうではなく、上記の(1)〜(3)を達成できるように会社経営をしていくことこそが、なによりも会社を強くしていくことの王道!の証だと捉えていただければ嬉しいです。
 是非とも、一緒に頑張りましょう!  

 

■そうはいっても、やはり「頼りになる地元金融機関」

 続く9月27日、当社主催で、地元・さわやか信用金庫の融資ご責任者を招いたセミナーを開催。
 三菱東京UFJ銀行とは、また趣の異なったアットホームな金融商品に、かなりホッとする場面も。やはり、金融機関も「持ち場、持ち場で役割分担」・・・といった感じです。

 そもそも、中小企業融資に関して、大手は『定量評価』に傾きがち。
 その点、地元金融機関は『定性評価』のウェイトが大きく、経営者の人柄をも重視していただける
・・・かなり大雑把に区分すれば、こんな違いです。

 『定量評価』は、決算書等の数値に表れた「数量」「数字」上の財務内容を重視した評価。
 『定性評価』は、財務内容よりも、ときに代表者の人柄等を重視した評価。

 

■与信基準は、「逃げる人かどうか」?!

 講師を務めていただいた、さわやか信用金庫の本部で商品開発に携わる責任者からは・・・こんな一言まで。

「当行では、融資の現場に携わる社員には、今年の目標などの短期的なことのみならず、創業時の経緯から経営理念に至るまで、じっくりと時間をかけて、経営者から話を伺うように指導しています」
「代表者の人柄のどこを見ているか・・・ひと言でいえば、逃げる人がどうかですね!」

「メガバンクが貸せない、リスケ中の会社、税金や社会保険料が未納中の会社などを見捨てしまうと、日本の中小企業がつぶれてしまう。だから代表者の人柄を見るのです!」

「極端に言えば、過去の決算書ではない!この融資を出すことによって、会社が今後どのくらい良くなるのか!!なのです」

 

■ヒット商品名・・・「エンカツ」

 どうですか、皆さん。
 中小企業にとって、なんとも力強い響きに聞こえませんか?
 メガバンクとはまた方向性が異なる、まだまだ厳しい状況にある中小企業の痛みがわかる、強い味方の「極み」のように思えます!

 その証拠に、最近、さわやか信用金庫では大きなヒット商品が!!
 その金融商品は、なんと「エンカツ」!
 金融円滑化法のエンカツからの命名。

 金融円滑化法で返済条件変更(リスケ)を受けている会社を応援する商品。不動産の担保評価等についても、かなり柔軟な与信判断をしてくださると、強調されていました。

 

■会社のステージに応じて、金融機関との付き合い方を上手に

 冒頭で、経営者として、2020年に向けて、会社を強くしていこう!
と書きました。
 そのためにも、会社の状態会社の成長会社の目指すべき姿に応じた、「金融機関の選び方」「金融機関との上手な付き合い方」は、避けては通れません。

 今月は、あえて少し極端な金融商品を紹介しました。
 二つのケースを通じて、皆様に「金融機関との上手な付き合い方」の理解を深めていただければ幸いです。
 皆様の会社を強くするために、是非ともお役立てください。

 

平成25年(2013年)10月         

TFSグループ 代表         
 TFS国際税理士法人 理事長     
山 崎  泰