2011年1月


『税務調査』と『スマートフォン』
 

新年明けまして、おめでとうございます。

≪税務調査にも強くなる≫

 昨年末、都内の倫理法人会で講演をしました。タイトルは著書と同じく、
「あなたの会社、強くしてみせます!」
 著書の宣伝や販売等は控えることが慣例になっている講演会なので、なにも宣伝のために同じタイトルにしたわけではないのですが---講演後にふと思ったことがありました。
 それは、「税務調査にも強くなる」という視点も盛り込むべきだった、ということ。

 昨年後半は、私どもの事務所にとっては、珍しく顧問先様の税務調査が多くありました。多い時には一時期に何件もの税務調査が同時並行で進行し、加えて全国各地の税務署や国税局との連絡で追われ、一日に複数案件の対応をすることも。
 業績の良い法人、資金力のある法人はじめ---取れそうな所には税務調査に行ってみるとでもいいたくなるような状況でした(もちろん、そんなことはないとは思いますが…)。

≪税制改正大綱で「税務調査手続きの明確化」を規定≫

  そんな中で、昨年12月16日にまとまった「平成23年度税制改正大綱」に「税務調査手続きの明確化」が盛り込まれました。

 「税務調査手続における納税者の予見可能性を高める観点から、原則として、税務調査を行う場合には予め事前通知を行うものとする」と規定されたのです。 事前通知の対象者は、納税者本人及びその代理人(税理士、税理士業務を行うことを国税局長に通知した弁護士等)です。
 通知内容は、「調査開始の日時・場所」「調査の目的(例:○年分の所得税の申告内容)「調査の対象となる税目、課税期間」「調査の対象となる帳簿書類等」等となります。
 通知方法は、原則として事前文書。例外的に、調査の相手方の同意がある場合には、実地の調査当日に文書を交付することができるとしています。
 対象となる調査は、実地の調査(納税者の事業所等に臨場して行う調査)となっています。
 
 併せて、更正の請求(税額等の減額請求)を行うことができる期間も、現行1年→5年に延長されます。
 日本税理士会連合会はじめ税理士業界の長年の要望が実現した形です。
 新聞報道等ではあまり取り上げられていませんが、納税者や会計事務所等にとってはかなり重要な改正です。

 それにしても税務調査通知を受けた時の緊張感、税務調査を通じた関与先様との連帯感・一体感、乗り越えた時の達成感、指摘を受けてしまったときの反省感等々---「税務調査手続きの明確化」規定を機に、会計事務所とともにさらに税務調査にも強くなって頂きたいと思うのです。

≪スマートフォン≫

 同じく、講演が終わった後の食事会でのひとコマ。
 平成23年、『辛卯』年の激動を予測する話が続いた後、最後に主宰者でもある会長が、おもむろにポケットからAndroid型の携帯電話を取り出して、「来年はもうAndroidの時代、ここまで時代が変わる速度が早い」と総括。
 2010年のヒット商品番付横綱が「スマートフォン」というわずか一年後には、もう「Android」かも---と驚きながら、話に聞き入っていました。

 年末、深夜の残業中に携帯電話をトイレに落とし、一晩かけて必死になって乾かして携帯ショップに持ち込んだものの、さんざん悩んだ挙句にスマートフォンに替え、替えたは良いものの、その後連日、携帯ショップにスマートフォンの操作説明を聞きに行っているような---私としては、まずは身近な『激動』についていかなければ、と年末年始の読書用にと、スマートフォン関係の本を買い込んでいた次第です。

 こんな私ですが、何卒本年も宜しくお願い申し上げます。

 
 
2011年(平成23年)1月