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2013年3月


『中小企業金融円滑化法・・・3月末で終了

  会社を守り抜くために、いま必要なこと!


■数多くの中小企業が、『中小企業金融円滑化法』を利用!?
                  
 いよいよ、今月3月末に、『中小企業金融円滑化法』が終了します。
 そこで2月の『経営力UP連続セミナー』では、関心の高まっている、この問題を取り上げました。
 
 数多くの中小企業が、『中小企業金融円滑化法』を利用して、返済条件の変更(Re-schedule、略称リスケ)を行っているともいわれます。
 『中小企業金融円滑化法』を利用していた企業にとっては、いよいよ元本の返済が再開されることに・・・
 増加するかもしれない倒産の危機が、『円滑化法』を利用していない企業にも及びかねません。

 ・そもそも、『中小企業金融円滑化法』とは?
 ・3月末の期限切れまでに、とっておくべき対策は?
 ・『円滑化法』の延長は、あり得ないか?
 ・期限切れ後に予想される事態、そして中小企業への影響は?
 ・3月末の前と後での、金融機関との付き合い方の違いは?
 ・とにかく、いますぐにでも備えておくべきこと・・・

 先のセミナーでお話しした項目は、上記の通りです。
 リスケしている会社も、リスケしていない会社も・・・是非とも知っておいていただきたい内容を盛り込みました。

 残念ながら、この手の税法や法律関連のテーマは・・・あまり人気がありません。今回も、また然り。
 でも私がなぜこのテーマを取り上げたのか、私の問題意識の一端だけ
ご紹介させていただきます。

 些かなりとも、皆様の今後のお役に立つことができれば幸いです。 

 

■ そもそも、『中小企業金融円滑化法』とは?

 正式には「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」といいます。
 平成21年12月に施行され、平成25年3月をもって終了。

 中小企業や住宅ローンなどの借り手から、金融機関に対して「返済条件の変更」「返済期間の猶予」などの申し込みがあった場合には、できる限り貸し付け条件の変更などに応じるようにという「金融機関の努力義務」を定めた法律です。
対象となる金融機関は、法律上は、銀行・信金・信組・労金・農協・漁協・農林中金などとされていますが・・・日本政策金融公庫(旧・国民生活公庫)なども実質的に同じような対応をしています。
一定期間、返済を猶予するという意味から、いわゆる「モラトリアム法案」といわれているのです。

 あくまでも、金融機関に対しての法律であり、
 債務者に対して、何らかの権利を与えたり、債務を免除したりするものではありません

 ただ努力義務とはされていますが、金融検査当局で指摘を受けることから、金融機関としては事実上、借り手からの返済猶予の申請に応じることに・・・その証拠に、申請件数のうち、返済猶予が実行された割合は、なんと97%超。

 

■確かに倒産件数は、減ってはいるが・・・
             

 モラトリアム法が施行されたのは、2009年(平成21年)12月。リーマン・ショック以後の不況にあえぐ中小企業・・・その年末の資金繰りに間に合わせて、金融機関に返済猶予の指令(形だけは、努力義務となってはいましたが・・・)!
 その時の指揮官は、あの剛腕の亀井静香・金融担当大臣。

 確かに、半期で見ても一年通期でみても・・・
 2008年(平成20年)⇒2009年(平成21年)⇒2010年(平成22年)⇒2011年(平成23年)⇒2012年(平成24年)と、倒産件数が目に見えて減っているのがわかります。

 でも、自力での倒産件数が減ったわけではありません
 経済状況が好転したわけでもなさそうです。
 ただ政策的に、倒産しなくて済むように救われている・・・といったら、言い過ぎでしょうか。
 一定期間、借りた金を返さなくて良いわけですから、支払手形〜不渡り〜倒産という、手形や小切手さえ切っていなければ・・・倒産という事態は免れるのです。

 

■中小企業の9社に1社が『リスケ』から抜け出せない?!

 ⇒この事態を、冷静に分析してみると・・・

 平成24年9月末時点で、累計で約370万件の申し込み
   ↓
 申し込みに対する実行率=97%ということは、
 返済猶予が認められたのは
約343万件
   ↓
 中小企業1社当たり4〜5件(本)の借入があるという実態からすると 
   ↓
 約70万社の中小企業が、『円滑化法』を利用・実行していることに
   ↓
 このうち、2/3の中小企業が、リスケを再申請(更新)しているといわれます
   ↓
 そうすると、約46万社の中小企業が、なかなかリスケから抜け出せずに、リスケ期限が来ても、またリスケを再申請している状態
   ↓
  日本の中小企業が、約420万社としてみると
   ↓
  なんと9社に1社が、リスケ申請が打ち切られたら(=円滑化法が切れたら)資金繰りが立ちいかなくなるのでは・・・
   ↓
  中小企業の9社に1社が、倒産する危険性を抱えていないか・・・
   ↓
  ウチはリスケしていなくても、取引先の9社に1社は倒産する危険はないか?大口取引先が倒産しても、ウチは連鎖倒産?大丈夫か・・・
   ↓
 900万円の売掛金があったら、100万円くらいは回収できない危険性はないか・・・
   ↓
 売上や資金繰り・・・万が一のことに備えておかなくて良いか!?

 

■あなたの会社、強くしてみせます!

 私は決して、皆様の不安を煽るつもりは毛頭ありません・・・
 不安を煽ってビジネスに・・・などという、狭い性分も持ち合わせていません。

 ただ・・・
 『あなたの会社、強くしてみせます!』と銘打って、本音で、本気で「経営力UP連続セミナー」を開催し続けている責任として、顧問先様はじめ多くの会社を守り抜かなければならない!と、心の底から思っているだけです。

 会計を通じて、国家・社会・会社を強くする!
 ・・・これが、私どものグループの原点、経営理念だからです。

 

平成25年(2013年)3月         

TFSグループ 代表         
         TFS国際税理士法人 理事長     
山 崎  泰